03. 鬼


鬼さん、こちら 手の鳴る方へ

不思議、不思議
何故、こんなに面白いのだろう

それは多分、鬼が私じゃないから

鬼をやっているのがあなただから

だから必死で追いかけるあなたから
楽しそうに逃げるのだ

走って 走って 走って 走って
いつか捕まえられる

今度は私が鬼になる

鬼さん、こちら 手の鳴る方へ

今度はあなたがそう言って楽しそうに笑う

私は必死でおいかける

そう、あなたを鬼にするために

それだけの遊び
だけどとても楽しかったのだ


鬼が可哀想だと思うことがあった

何がきっかけで、『鬼』なんて出来たんだろうと思った

『鬼』っていうのは敗者
いわばバツゲームみたいなもの

そこから抜け出すには誰かを代わりにするのだ

ある意味、なかなか残酷な話なのだ

それでも私は大して気にしなかった
楽しければそれでいい

鬼とは…きっと誰でもいいのだろう
だって、誰でもなるのだから

みんなが鬼なのだから
みんなが鬼ではないのだから

そう、みんな鬼になる可能性を持っている
だから楽しいのだ
だから抜け出そうとするのだ

負けたくないから
鬼になりたくないから

そんな単純な事

だから今日も繰り返す

鬼さん、こちら 手の鳴る方へ



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鬼ごっこを思い出しながら。
なんだか回想録のようになって来ているような気も(^^;)。
私は小さい頃は結構足は速かったので鬼にはなりにくかったんですが…
トロいので(足の速さとは別問題)、高鬼とかはよく鬼でした(^^;)
だるまさんがころんだ、とかも(^^;)。
何だかんだ、鬼が頻繁に入れ替わる分には面白い遊びですよね。
みんな逃げに回っちゃうと面白くないですけども。
鬼っていうテーマだったので、重たくも持っていけるんですけど…
その辺は性格的なものでほのぼの系でいこうかと。
暗いものは読んでいて楽しくないし、書いていても楽しくないですからね。